ごまは「食べる丸薬」と言われるくらいすぐれた栄養食品。そのごまの栄養素で最近注目されているのが、ごまにしか存在しない成分セサミンなどの「ゴマリグナン」。ゴマリグナンは、生活習慣病をはじめ多くの病気の原因となる活性酸素の発生を抑制する抗酸化物質です。多くの抗酸化物質が、水溶性のため肝臓まで届くことができないのに対し、ゴマリグナンは肝臓まで届き、抗酸化作用を発生させる数少ない栄養成分です。
また、「ゴマリグナン」はビタミンEが含まれる食品と一緒にとると、ビタミンE活性がより増強されることもわかっており、老化を抑え、美容効果も期待できます。
サントリー(株)健康科学研究所は、血圧が高めの方が4週間、毎日セサミン60mg摂取すると血圧低下の作用があると報告しています。セサミン60mgはゴマ約大さじ2杯。毎日の習慣にしたいですね。
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タンパク質
絹ごし豆腐1/6丁
(約50g) -
カルシウム
牛乳1杯分
(約165g) -
ビタミンE
うなぎ1串分
(約70g) -
不飽和脂肪酸
まいわし1尾分
(約98g) -
食物繊維
人参1/2本分
(約50g) -
鉄分
ほうれん草1株分
(約45g)
ゴマ粒の約50%が脂質です。脂質というと「太りそう」「コレステロールが・・・」などネガティブなイメージが強いのですが、ゴマの脂質にはコレステロールは含まれていません。主に身体によい不飽和脂肪酸のリノール酸とオレイン酸です。リノール酸は食品から摂取しなければならない必須脂肪酸であり、オレイン酸とともに、血中コレステロールの上昇を抑える優れた働きがあります。
国の指針「食事バランスガイド」によると、一日に、ごはん2杯、うどん1杯、食パン1枚、野菜サラダ、ほうれん草のおひたし、具だくさん味噌汁、きんぴらごほう、卵焼き、納豆、焼き魚、牛乳200ml、みかん1個、リンゴ半分・・・など、多品目をバランスよく摂ることが正しい食生活の基本と言われています。
しかし現実、それだけの献立を毎日考えるだけでも主婦にとっては大変。「手軽で簡単に、栄養のバランスに優れた食事ができたら・・」、毎日のことだからこそ、そう思われる方も多いのではないでしょうか?
そんな方におすすめしたいのがゴマです。ゴマには『不飽和脂肪酸』をはじめ、『良質なたんぱく質』、『食物繊維』、『鉄分・カルシウム』、『ビタミン類』が豊富に含まれ、1日に必要とされる栄養分を補ってくれます。
中でもセサミンに代表される『ゴマリグナン』。上でも説明があるように、ゴマ特有の成分は、老化防止に代表される多くの生理作用が報告されており、元気を保つ成分として近年注目されています。さっとひとふりで簡単に栄養たっぷりメニューに早変わり。健康的な食生活を目指す方には、ゴマは欠かせない存在といえるでしょう。
ごま(学名:sesamum indicum L.)はゴマ科ゴマ属の一年草。原産地は熱帯アフリカです。数千年前に世界に広がっていきました。日本には中国から伝えられたとされ、奈良時代にはすでに重要な作物として栽培されていたようです。成長が早く、種まきからわずか約100日で収穫できます。熱帯アフリカ生まれだからか暑さに強く、荒れ地でも栽培でき、少々の干ばつでも収穫できる頼もしい生命力を備えています。